訪れたスポット
1.旅荘みずうみ
2.ホテル アリス
3.ホテル ジュテーム
4.ホテル Jハウス
5.ホテル サンワ
6.ホテル アン
7.ホテル いこい
8.ホテル クイン
9.旅荘赤坂
1970年代ころから、都道253号の東大和市芋窪から東京都武蔵村山市中藤にかけては、妖艶なネオンラサインに照らされた宿泊施設が軒を連ねるラブホテル通りだったらしい。
昭和の連れ込み宿っぽい雰囲気を残した旅荘、当時流行した西洋の古城を模したホテル、コテージに自動車を横付けできるモーテルなど、それぞれの時代に合わせて増改築を繰り返し営業してきた。







2022年現在、明確に営業しているといえるラブホテルは1軒のみ。ほかには、ランナー用の休憩所に業態転換したのが1軒、開店休業状態なのが1軒。残り7軒は、2000年代初頭までに多くが廃業している。


この通り(都道253号+都道55号)をまっすぐ進むと、武蔵村山市の日産自動車村山工場の跡地につながる。村山工場は同社の屋台骨を支える小型車マーチ、日本テレビ系『あぶない刑事』の「港303」でおなじみのレパード、スカイラインGT-Rなどの名車を生産した日産自動車の主力工場だった。
最盛期は3000人が働いていたが、2001年の工場閉鎖にともない、多くの従業員が栃木や追浜の工場に異動した。周辺の下請け工場や飲食店も潰れ、企業城下町の武蔵村山市は一時的に“過疎”が進んだという。






都道253号のラブホテルが潰れたのは、工場の閉鎖も影響しているのではないか……とこっそり思っている。村山工場から西武園までの緑の道路は、最高のドライブコースだ。わたしが阿木燿子なら、「緑のなかを走り抜けてく真っ赤なポルシェ」と詩を書いたはずだ。
狭山スキー場や西武園でめいっぱい遊び、湖畔のレストランでディナーを楽しみ、その帰りにネオンサインにライトアップされたラブホテルで煙が出るほどパコる。120パーセント最高のデートである。
しかし工場の閉鎖後は利用客がガクッと減り、もともと何もないところに林立していたラブホテルは次々廃業した……のではないかと想像する。




2022年現在、都道253号沿いのホテル/ホテル跡は以下のとおり。東側から、旧旅荘みずうみ(業態を変えて営業中)、ホテル アリス(廃墟)、ホテル ジュテーム(所在確認できず。現ホテル Jハウスという説あり)、ホテル Jハウス(営業中)、ホテル サンワ(廃業)、ホテル アン(廃墟)、ホテル いこい(ゲートが閉まっており、営業しているか不明)、ホテル クイン(廃墟)、旅荘赤坂(解体済み)。





生と死。ラブホテルと廃墟のコントラスト。
小学4年生でも思い浮かぶような組み合わせ。しかも情緒的だ。




都市近郊には、当時ラブホテルだの病院だのの廃墟がいくらでもあった。
わたしがまだヤングだったころ、地元の悪友らと廃墟をめぐったことがある。
悪友らは、ドアを蹴破ったり、壁に穴を開けたり、ときにガラスを割ったりした。
何のためにわざわざモノを壊すのか? 全くわからなかった。
わたしは彼らのそんな粗暴さがいやだった。





廃墟のいくつかは、バリケードの一部が開いており、敷地のなかを“こっそり”探索できた。
廃墟に籠もるカビっぽい空気を嗅ぎながら、荒れに荒れた敷地を歩き回る。そして薄暗いコテージを覗き込む。部屋に残されたベッド。その布地に染みる男女の生臭い体液を想像してしまい、わたしは怖くなって逃げ出してしまった。
交通アクセス
電車:西武線西武球場前駅(埼玉県所沢市上山口)


